小林しげき活動レポートvol.141「憲法改正学習会に参加して」
7月25日、衆議院議員の杉田水脈(すぎたみお)氏を講師に
「憲法改正学習会」が開催されました。雨にもかかわらず100名近くの方にお集まり頂いたことはありがたいことです。自由民主党は自主的憲法制定を党是として1955年に結党しました。したがって憲法改正は最重要課題です。
杉田氏は自民党の改正草案の内、合区解消と緊急事態条項について言及。現行憲法は都市部の人口増加を想定せず、「法の下の平等」に照らすと1県から1人の国会議員を出せなくなる問題点を指摘されています。また従来の自然災害を中心とする緊急事態に、全国規模の感染症拡大を加えるべきとされました。政府の要請に実効性を付与することが目的です。
野党議員はよく「憲法は国家権力を縛るものだから、日本の憲法はこのままでいい。」と話しますが、大いに疑問を持ちます。確かに社会学者、小室直樹教授の著書「憲法とは国家権力に対する国民からの命令である」には諸国が帝国主義における搾取と迫害から国民を守るために憲法を制定してきた経緯が解説されています。そこに留まらずに「国家像」を示し「権利と義務」を定めることが現代における国家の最高法規には必要なのです。
現在衆議院では憲法改正の「国民投票を行なう」ために必要な3分の2の議席を自民、公明で有していますが、参議院では割り込んでいます。国の将来を左右する最重要課題であるだけに、野党が話し合いのテーブルにつくよう、最大限の努力を重ねているところです。
この度の「憲法改正学習会」は政治家が主導したものでなく民間団体との共催でした。例え大規模なものでなくとも、このような取り組みには大いに意味があります。国会が決めるのはあくまで「国民投票を行なう」ということだけであり、賛否を決めるのは国民一人ひとりの意志だからです.
私の政治課題!
7月の4連休は、日本国中が「アクセルとブレーキを踏む」ことに揺れた4日間だと思います。
「政治とは最悪のことを想定し最善を尽くす」ことは事実でありますが、新型コロナウィルスの収束と経済活動の復旧を同時に成し遂げることについて、政治家として、本当に難しい課題であると身に染みて実感しています。
私は、今やるべき最も大切なことは、皆様の声にできる限り耳を傾け、現場に足を運ぶこと、そして、この私の体験と、統計の数字など科学の知見と照らし合わせることだと考えています。0か100を決めるのではなく、0と100の間の最も適切なところを見出すために最善をつくすことが、私の責務であります。
さて、アクセルとブレーキどころか、アクセルすら足りない大きな課題があります。人口減少の問題です。Medical Tribune社によると、ワシントン大学のEmil Vollset氏らは、世界の人口は2064年には97億3000万人でピークに達した後減少に転じ、2100年には87億9000万人まで減少すると予測しています。日本、タイ、イタリアなど23か国で50%以上減少するとの予測です。
( Lancet 2020 年 7 月 14 日オンライン版)。
特に日本では、2017年の人口1億2836万人から2100年には6000万人に減少し、生産年齢人口は同じく、7100万人から2900万人に減少します。生産年齢人口が減少すると経済力が減少することは自明となります。労働と納税の担い手である若者が減少し、医療と福祉を最も必要とする高齢者が増えることから、国の財政運営は厳しいものとなります。
他方、人々の価値観や暮らし方の変化で、出生率を高くするためのアクセルを踏むだけで解決するものではありません。子育てや教育に対する国の予算の割合は他の先進国に比べて低いという現実があります。いずれ欧米と同様の移民問題が出てくる可能性があります。私の政治課題である「ひとづくり」と「まちづくり」、「くにづくり」の根幹に関わる問題として取り組んで参ります。